乳癌・大腸癌と高脂肪食

健康と病気と青汁

世界がん基金のがん予防14ヵ条

エイズ流行が心配されている

ヒトは病気しなければ120歳まで生きる

食べ物と癌

大豆の植物エストロゲン

イソフラボンの内分泌攪乱作用

食塩の摂取量

胃癌におけるピロリ菌と食塩

乳癌増加の原因

乳癌・大腸癌と高脂肪食

メタボリック・シンドローム

体重計に乗るよりウェストを測ろう

魚はどのくらい食べたらよいか

胃食道逆流症(GERD

食べ物と膵癌

■食べ物と癌の関係で、最近とくに注目されているのが、高脂肪食と乳癌・大腸癌の関係だ。どちらの癌も近年急速に増加しており、脂肪の多い食事を摂取する人がかかりやすいことが分かってきた。

■現代の食生活は欧米食が中心となり、肉・卵・乳製品など高脂肪食・高タンパク食に偏りがちとなっている。反面、野菜やマメ・イモといった日本人が古来より摂取してきた食品は減っている。このままいくと、乳癌・大腸癌はますます増加し、とくに今の若い人たちが癌にかかりやすい3540歳を過ぎる頃には、どうなってしまうのか本当に心配である。厚生省も国立がんセンターも、野菜を食べるように指導はしているが、まだまだ食生活の悪化に対する危機感が足りないように思える。

■ちなみに、乳癌の罹患率は、女性の癌の第1位で、22人に1人、20歳を過ぎると癌年齢と言われている。大腸癌は胃癌に次いで第2位の癌で、年々直線的に増加しており、2015年には胃癌を抜いて第1位になることが予測されている。30歳代から発症リスクが増加する。

■幸いなことに、現代の医学では、乳癌も大腸癌も早期に発見し治療すれば治る可能性が高い。つまり、早期発見が重要ということだ。乳癌の早期発見にはマンモグラフィーがおすすめだ。ミリ単位での癌の発見が可能である。近年行政の乳がん検診には導入されているが、自分で病院を受診して検査を受けてもよい。ただし、マンモグラフィーは、撮影装置が定められた規格以上のものでなくてはならず、またレントゲン技師や診断医が一定レベル以上の特別な資格を持った者でなくてはならない。つまり正確な診断には、それだけ高度な専門性を必要とするということだ。行政の検診なら大丈夫だが、自分で医療機関を受診する場合はそれらを調べて受診した方がよい。

■大腸癌は大腸ファイバースコープ(大腸カメラ)を行えばただちに診断できるが、いきなり肛門からカメラを入れて調べてほしいという人も少ないだろうから、まずは便の潜血反応をみればよい。便に血が混じっているようなら、カメラをしなくてはならない。もちろん便の検査は100%完全ではないから、症状がありおかしいと思ったら、カメラをするべきだ。大腸カメラでは、ポリープ程度のものならその場で切除できるから、治療を兼ねることもできる。

■いくら検査方法がよくなったといっても、癌である以上かからないことが一番だろう。そのためには、脂肪過多の食事をやめて、野菜大量の食事にすること。癌年齢が徐々に低下してきていることもあるので、まだ若いと思っているうちから始めることだ。一家そろって、子供のうちから野菜を食べる習慣をつけることが重要だ。親が食べなければ子は食べない。親がすすんで食べることだ。

■具体的には、野菜を1400500グラム以上。ケールで作った青汁なら約2合(コップ2杯)以上。市販されている乾燥青汁でもよい。一度に大量の野菜摂取は困難なので、これらを組み合わせて、できるだけたくさん野菜を摂る。イモやマメ(大豆・ソラマメ)をたくさん摂ると、ある程度は野菜を減らすことも可能。

■ただし、癌の予防を考えるとき、すべての食品は、化学肥料、農薬、防腐剤や着色料、甘味料など化学薬品に汚染されてないものが必要。決められた範囲内の安全量といえども、体に残ったり、予想外の副作用が出て、あとで危険だったと分かる場合もある。できるだけ、自然で安全な食品を手に入れることが重要だ。