魚はどのくらい食べたらよいか

健康と病気と青汁

世界がん基金のがん予防14ヵ条

エイズ流行が心配されている

ヒトは病気しなければ120歳まで生きる

食べ物と癌

大豆の植物エストロゲン

イソフラボンの内分泌攪乱作用

食塩の摂取量

胃癌におけるピロリ菌と食塩

乳癌増加の原因

乳癌・大腸癌と高脂肪食

メタボリック・シンドローム

体重計に乗るよりウェストを測ろう

魚はどのくらい食べたらよいか

胃食道逆流症(GERD

食べ物と膵癌

魚には、EPADHAなどの魚油が多く含まれていて、血中の中性脂肪の低下、不整脈発生の防止、血栓生成防止作用など、生活習慣病の予防効果があることが知られている。

米国やイタリアでも、魚を多く食べれば食べるほど、心筋梗塞で死亡する率が低下することが報告されている。

しかし、それではいったいいくら魚を食べればその効果が得られるのか、またあまりたくさん食べても害はないのか。

まず、いくら魚を食べれば良いかということに関しては、「日本人栄養所得量」から推測する。

それによれば、EPA+DHAなどの魚油は130キロカロリーになり、そのうち半分を魚から摂るとして15キロカロリーとなる。

すなわち、115キロカロリー=1.7グラムのEPA+DHAを魚から摂ればいいことになる。

これを魚にあてはめると、タイの刺身で6切れ、サバ半身1切れ、サケ2切れ、アジ開き干し2尾、サンマ1尾、イワシ12尾となり比較的摂りやすい量だが、カツオ刺身30切れ、ヒラメ刺身50切れ、マグロ赤身刺身80切れなどは量が多くなり摂るのが大変だ。

魚油の副作用は、出血時間の延長、LDLコレステロール増加、血糖値の増加、その他報告がある。

この中で実際に問題となるのはLDL増加であり、糖尿病や高血圧、中性脂肪高値の患者でみられる

出血時間の延長や血糖値の上昇は、実際に問題となることはない。

魚には体に良い魚油だけでなく、体に悪い重金属、ダイオキシン、PCBが含まれている。

2003年には厚生労働省から水銀の多い魚(メカジキ、キンメダイ)を妊婦はひかえる旨の勧告がでた。

水銀は鯨やマグロなど大きな魚に多く、マグロではトロより赤身の方が多い。

EPADHAは胎児や妊娠を維持するのに必要であり、妊婦には水銀量が少なくEPADHAの多い魚(例えば、サンマ、ウナギ、イワシ等)がすすめられる。

魚には、魚油の副作用のLDLの増加やビタミン・ミネラルが不足しているという栄養素の偏りなどの、問題点がある。

こうした欠点を補うのに、青汁や大量の野菜が有用であり、栄養のバランスを正すことができる。

魚とともに、青汁と野菜をしっかり摂るべきである。

 

【参考:江崎治・仲谷照代:日本医事新報41942004