魚はどのくらい食べたらよいか |
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健康と病気と青汁 |
魚には、EPA、DHAなどの魚油が多く含まれていて、血中の中性脂肪の低下、不整脈発生の防止、血栓生成防止作用など、生活習慣病の予防効果があることが知られている。 米国やイタリアでも、魚を多く食べれば食べるほど、心筋梗塞で死亡する率が低下することが報告されている。 しかし、それではいったいいくら魚を食べればその効果が得られるのか、またあまりたくさん食べても害はないのか。 まず、いくら魚を食べれば良いかということに関しては、「日本人栄養所得量」から推測する。 それによれば、EPA+DHAなどの魚油は1日30キロカロリーになり、そのうち半分を魚から摂るとして15キロカロリーとなる。 すなわち、1日15キロカロリー=1.7グラムのEPA+DHAを魚から摂ればいいことになる。 これを魚にあてはめると、タイの刺身で6切れ、サバ半身1切れ、サケ2切れ、アジ開き干し2尾、サンマ1尾、イワシ1〜2尾となり比較的摂りやすい量だが、カツオ刺身30切れ、ヒラメ刺身50切れ、マグロ赤身刺身80切れなどは量が多くなり摂るのが大変だ。 魚油の副作用は、出血時間の延長、LDLコレステロール増加、血糖値の増加、その他報告がある。 この中で実際に問題となるのはLDL増加であり、糖尿病や高血圧、中性脂肪高値の患者でみられる 出血時間の延長や血糖値の上昇は、実際に問題となることはない。 魚には体に良い魚油だけでなく、体に悪い重金属、ダイオキシン、PCBが含まれている。 2003年には厚生労働省から水銀の多い魚(メカジキ、キンメダイ)を妊婦はひかえる旨の勧告がでた。 水銀は鯨やマグロなど大きな魚に多く、マグロではトロより赤身の方が多い。 EPAやDHAは胎児や妊娠を維持するのに必要であり、妊婦には水銀量が少なくEPAやDHAの多い魚(例えば、サンマ、ウナギ、イワシ等)がすすめられる。 魚には、魚油の副作用のLDLの増加やビタミン・ミネラルが不足しているという栄養素の偏りなどの、問題点がある。 こうした欠点を補うのに、青汁や大量の野菜が有用であり、栄養のバランスを正すことができる。 魚とともに、青汁と野菜をしっかり摂るべきである。 【参考:江崎治・仲谷照代:日本医事新報4194,2004】 |